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【高校化学】二酸化窒素と水 温水・冷水での反応の違い


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オストワルト法酸性雨の場合を例に挙げて説明します。

まずはオストワルト法

オストワルト法とはこのような3段階の反応式です。

\rm{4NH_{3} + 5O_{2} → 4NO + 6H_{2}O}
\rm{2NO + O_{2} → 2NO_{2}}
\rm{3NO_{2} + H_{2}O → 2HNO_{3} + NO}

この最後の反応式は二酸化窒素を水に溶かして硝酸を作ることを意味していますが、ここでは必ず温水を使わなければいけません。それはなぜでしょうか。


もし冷水を用いた場合、以下のような反応が起こり、硝酸と亜硝酸が生成します。
\rm{2NO_{2} + H_{2}O → HNO_{3} + HNO_{2}}

この亜硝酸は室温で分解し硝酸になります。
\rm{3HNO_{2} → HNO_{3} + 2NO + H_{2}O}

温水を用いなければ亜硝酸も一緒に生成してしまいますね。

亜硝酸が生成してしまうことで目当ての硝酸の生成量が減ってしまいます。なので温水が用いられます。


この考え方は酸性雨についての問題にも適用できます。

上空で雨に二酸化窒素が吸収されて酸性雨になる化学反応式を作れ、という問いが出題されたとします。

ふつうなら
\rm{3NO_{2} + H_{2}O → 2HNO_{3} + NO}
と書いてしまいそうです。

しかし先述した通り、上記の式は温水での話です。

上空の雨は冷たいですから、亜硝酸は分解しにくく残ってしまいます。ですので、
\rm{2NO_{2} + H_{2}O → HNO_{3} + HNO_{2}}
の式が正しいことになります。


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