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【高校化学】エステル合成反応の覚えておきたい重要な4つのポイント


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エステル合成反応において覚えておくべきポイントをまとめました。

なぜ濃硫酸を加えるのか

濃硫酸触媒として働きます。酸触媒を加えないと反応速度が遅すぎて反応終了まで時間がかかるからです。


濃硫酸でないといけない理由/無水アルコール、無水酢酸(氷酢酸)を使う理由

エステル化反応の反応式は下のように平衡になっています。


\displaystyle\rm{R-COOH + R'-OH ⇔ R-COO-R' + H}


もし反応前に水が大量に存在すると、ルシャトリエの原理に従い平衡が左に偏ります。

その結果エステルの得られる量が減少してしまいます。

エステルを得るためにやる以上エステルをより多く得たいので、水をできるだけ減らし、平衡を右に偏らせるために無水物を使います。


濃硫酸は他の酸と違い濃度が98%と非常に高いため、無水に近く(濃塩酸は36%くらい、濃硝酸は70%くらい)、不揮発性です。

触媒が揮発してしまうと反応が妨げられます。なので不揮発性の酸であることも必要なんです。


なお、第一級アルコールを用いた反応の時に硝酸を使うと、アルコールが酸化されてカルボン酸になってしまうため、硝酸を使用することはできません。一方、塩酸を触媒に使うエステル合成反応は一応あるそうです。

アルコールをたくさん入れる

先ほどの平衡で考えます。

アルコールがたくさん入っていると、ルシャトリエの原理に従い平衡が右に偏るのでエステルをより多く得られます。

また、アルコールは揮発性が高いのですぐに揮発してしまいます。

揮発した分は還流冷却器である程度戻すことができますが、蒸発に完全に追いつくことはできません。そのため、揮発分を補うためにもアルコールを多量に入れておく必要があります。

エステル合成後

①反応液を蒸留することでエステルと未反応物の混合物を取り出す。

濃硫酸は揮発せずそのまま残るため取り除くことができます。

エーテルで抽出する際には、炭酸水素ナトリウムを十分量加える。

未反応のカルボン酸を炭酸水素ナトリウムで中和することでカルボン酸はカルボン酸イオンになります。

それによりエステル層から水層に溶け出すので未反応のカルボン酸を取り除くことができます。

また、炭酸水素ナトリウムで中和すると二酸化炭素が発生するので、ガス抜きを行わなければならないことを忘れないでください。そうしないと爆発の危険性があります。

エーテル層に塩化カルシウム水溶液を加える。

これはエーテル層のアルコールを水層に移動させて取り除くためです。アルコールは塩化カルシウムと付加化合物を作り溶解します。

補足:そのため無水塩化カルシウムはアルコールの乾燥には使用できません。

④水を取り除くために無水塩化カルシウムか無水硫酸ナトリウムを加え、ろ過と蒸留をして処理を終了する。

水が取り除かれると濁りが消え透明になります。これにより水が除去できたとわかります。



エステル合成反応はよく問われるので重要ポイントを理解ししっかり暗記しましょう。


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