原料指向型工業
重量減損原料を使用するので、製品化すると重量が減少し輸送費も減少する。
なのでできるだけ輸送費を減らすために原料産地付近に立地する。
鉄鋼、非鉄金属、紙・パルプ、セメント、陶磁器などが当てはまる。
例えばセメント工業の場合
セメントの原料がよく取れるカルスト台地がある山口県には特に集中して立地している。
同様に、カルストで有名なスロベニアや中国のコイリンでもセメント工業が盛ん。
用水指向型工業
大量の工業用水を使用するので、水が得やすく大都市などの市場に近い場所に立地する。
鉄鋼、紙・パルプ、化学繊維、IC、醸造などが当てはまる。
電力指向型工業
大量の電力を使用するので、安価な電力を得られる水力発電所のある内陸地に立地する。
アルミニウム、化学肥料が当てはまる。
- アルミニウム工場
昔はアルミニウム電解工場が多く立地していたが、電力料金の高騰により2014年に国内の電解工場は無くなった。今は少ない電力で生産できるリサイクルが主流。
市場指向型工業
水などの普遍的な原料を使用し製品重量が大きいため、あるいは市場の情報や流行を重視するため、大都会など消費地周辺に立地する。
原料の大半がどこでも得られる水であるビール、清涼飲料水や、情報や流行がもとになる印刷・出版、高級衣服が当てはまる。
※ミネラルウォーターの場合は良質な水が得られる採水地に立地する。
臨海指向型工業
海外からの輸入原料に依存するので、輸入する港に近い臨海部に立地する。
鉄鋼、石油精製・石油化学が当てはまる。
化学繊維も大量の水と原料の石油が得やすい臨海部に立地することがある。
臨空港指向型工業
軽い、小さい、単価が高いものを作るので、製品に対する輸送費の割合が小さくなる。なので輸送に便利な高速道路、空港付近に立地する。
IC、半導体などのエレクトロニクス製品が当てはまる。
集積指向型工業
部品の総数が多いので工場を集積させることで効率が良くなる。
自動車工業が主な例
愛知、静岡などに立地する。